現金を遠方にいる人に渡したいとき、普通は口座振込をすると思いますが、袋に入れてお金を郵送で送りたいと思うこともあるかもしれません。
ですが、そもそもお金って郵送できるのかどうか、皆さん知っていますか?
先に言ってしまうと普通郵便でお金を郵送することはできません。これは郵便局のローカルルールではなく法律として決められたルールです。
ただし、お金を郵送すること自体ができないわけでもありません。正しい手順を踏めばお金も郵送することができます。
もしかすると今後そんなシチュエーションに巡り合うこともあるかもしれませんし、覚えておくと恥をかくことがないので、ぜひ知ってみてください。
目次
お金を郵送する上で知っておきたい郵便法
郵便には郵便法という法律があって、お金だけでなく貴金属や宝石などを普通郵便で送ってはならないというルールがあります。
これはリスクを少しでも減らすという意味で取られている処置です。普通郵便で現金が送られていることが分かれば、悪い人に郵便受けから盗まれることもあるかもしれません。
そのリスクを回避しようとすると、コストが高くなってしまい、普通郵便そのものの利用料が高くなってしまうので、現金は別枠という扱いになったわけです。
ちなみに普通郵便でお金を郵送することはできないわけではないです。出すこと自体はできます。
ただし、普通郵便でお金を郵送しようとすると、郵便局から連絡がきて、現金書留で出しなおしてくださいと言われます。
やり直してくださいと言われるだけで、罰則があるわけではないですが、二度手間になるので普通郵便で送ろうとしないようにしましょう。
- 原則、普通郵便でお金は送っちゃダメ!
- お金を送る方法は別にある
実を言うと、気付かれなければそのまま発送されることはありますが、決して褒められた方法ではないのでやめておきましょう。万が一、郵便局がお金を紛失した場合でも、その場合だと損害賠償の請求ができなかったりします。
親からの仕送りで食べ物や日用品が送られてきて、その中にお小遣いとしてお金が入ってたら、嬉しいけど送っちゃダメなんだよと教えてあげてください。正直にいってその程度なら、盗まれることもないですし、大事に至ることは滅多にないですから、目を瞑ってしまっても構わないとは思いますが。
現金書留でお金を送る
現金書留は郵便局に行って現金書留で送りたいといえば、現金書留用の封筒を売ってもらえます。そうです、21円ではありますが、現金書留の封筒は有料となります。
これはコンビニなどでは売っておらず、郵便局でしか買うことができません。ちなみにサイズは通常サイズと大型サイズがあります。
普通に送る場合なら通常サイズで構いませんが、何か宝石のような貴重品を送る場合は大型サイズ使用する場合も出てくるかもしれません。
封筒が専用のものということ以外は、通常の封筒と同じなので、自分と相手の住所などを記入して印鑑を押して郵便局に送ってしまえば問題ないです。
強いて言えば現金書留の少し面倒なところは、普通ならポストから発送できるところを、必ず郵便局から発送しないといけないことです。さっと用意してさっと送ることができないので、その点はご注意を。
[出典]郵便局/オプションサービスの加算料金 現金書留
現金書留 +435円(基本料金に加算) (損害要償額1万円まで)
さらに5,000円ごとに+10円(上限50万円)
現金書留の知っておきたいルール
現金書留にはいくつか注意点があります。
まず知っておきたいのは現金書留のための費用がかかること。
現金書留でお金などを郵送するときはその額に応じて、費用が掛かってきます。
1万円以下だと430円、1万円を超える場合は5000円毎に10円割増しになっていきます。つまり送る額が大きいほど費用が掛かるので、額によっては郵送することを考え直すことも大事です。
そもそもの話、現金書留で送れる額には上限があり、50万円までしか送ることができません。これ以上の額を送りたい場合は、分けて送るか、諦めて口座振り込みをするしかありません。
ちなみに外資は現金とは違った扱いになるので、ドル紙幣やユーロ紙幣などをもし郵送したいとなったら、普通郵便で送ってOKです。
郵便為替
現金書留以外にも少額な送金ができるサービスがあります。
郵便為替や普通為替と呼ばれたりするもので、簡単に言えば、現金を換金できるチケットに変えて送金することができるサービスです。
郵便為替の使い方
郵便為替の送り方は現金書留と同じで、郵便局にいって手続きを済ませる必要があります。
郵便局に行けば為替と書いてある窓口に行って、普通為替や定額小為替を利用したいんですけどと申し出てください。これも現金書留と同じで窓口で購入する形になります。
種類は50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類から選べます。
もう少し多めに送りたい時は複数枚買うか、現金書留で送るかどちらか好きなほうを選んでください。
郵便為替を購入したら、次はそのままそこで郵便で送ります。これは現金を送るものではないので、普通郵便で送って大丈夫です。現金であっても、普通郵便で送ることができるのが郵便為替のメリットですね。
ただ、一応お金には変わりないので、中身が透けないような封筒に入れて送りましょう。普通郵便ですので、こちらも何かあった時の保証はないので、その点は注意してください。
郵便為替の換金方法
郵便為替を受け取った側は、郵便為替に自分の名前と印鑑を入れて、郵便局に持っていってください。手続きをするときは郵便為替と一緒に身分証明書を持っていくのを忘れないでください。
受け取った側は郵便局に持っていって換金してもらうだけなのでとっても簡単です。
ただ、受取人の家の近くに郵便局がないと利用しづらいので、ある意味で人を選ぶ送り方とも言えます。相手に送ってそのまま受け取って使ってほしいのであれば、やはり現金書留の方がよいでしょう。
ちなみに有効期限は半年までなので、早々ないと思いますが、為替証書を受け取ったことを忘れて放置してしまうと換金できなくなってしまうので要注意です。
結局便利なのは口座振込
郵送で現金を送りたい人もいるかもしれませんが、結局のところ口座から振込のが一番手軽かつコストもかかりません。銀行によってはATMでキャッシュカードを使って振り込みをすれば手数料が無料になることもあります。
送り手と受け手の所有口座が同一であれば金額が安くなる傾向にあるので、できれば合わせた口座から送るようにしてみてください。インターネットバンキングを利用すれば、口座にお金さえあれば家にいながら送金できるので、そちらも非常に便利です。
特別お金を郵送することにこだわりがないのなら、口座振込が圧倒的に楽ですし便利です。
ネット振込のやり方がわからないから敬遠しているという人は、それほど難しいものではないので、ぜひ調べて実行してみてください。
一度覚えてしまえば、今後わざわざ外に出なくとも仕送りなど簡単にできるようになりますよ。
まとめ
皆さんも少し驚いたかもしれませんが、お金の郵送にはこういった規制があったり、逆にいろいろな方法の送り方があったりします。
普通はお金のやり取りは口座でするものですから、あまり郵便局を介してお金のやり取りをしたことがある人は少ないと思いますが、こういった方法があるというのは豆知識として知っておいて損はありません。
いつか口座を持っていないという人にお金を送ることになるかもしれません。そんなときのためにぜひお金の郵送方法は知っておきましょう!